マンションで水害・排水の逆流が起きたら?管理会社への連絡と復旧
マンションで浸水や排水の逆流が起きたら、まず身の安全を確保し、管理会社・管理組合の緊急窓口へ連絡してください。
逆流している場所では水を流すのを控え、使ってよい設備と立ち入れる場所を管理側に確かめます。
自宅の修理と、建物全体の設備の復旧は分けて進めます。
部屋に水が入っていなくても、共用の電気設備や給排水設備が止まると、上階でも生活に影響が出るためです。
最初に整理したい3つのこと
- 自宅に水が入ったのか、共用設備が止まったのか。
- 給水・排水・電気を、どこまで使えるのか。
- 建物側の点検と、自宅の修理を誰が調整するのか。
自宅が浸水していなくても、共用設備の停止に注意
住戸の階数だけでは、水回りを使えるか判断できません。
国土交通省は、令和元年の台風で高層マンションの地下の電気設備が浸水し、停電によってエレベーターや給水設備が使えなくなった事例を紹介しています。
水が入った場所と、影響が出る場所は別
※設備のつながりを説明する概念図です。設備の場所、給水方式、停止する範囲は建物によって異なります。
給水:水を届ける設備
共用のポンプなどが止まると、住戸に水が届かなくなる場合があります。
管理側へ「断水の範囲」「給水の再開見込み」「飲用や設備利用の案内」を聞いてください。
排水:使った水を流す設備
住戸から流した水は、建物の配管などを通って排出されます。逆流や使用制限があるときは、自宅だけで排水の再開を判断しません。
トイレに加え、台所・浴室・洗濯機も対象か聞きましょう。
水が出ても、排水してよいとは限りません。
管理側から使用を控える案内があれば、その範囲と再開の連絡方法を家族にも共有してください。
管理会社への連絡は、部屋・症状・発生時刻をそろえる
連絡先は、入居時の資料や掲示、管理会社の案内で確認します。
窓口につながったら、次の4点を伝えてください。原因が分からなくても、見たことをそのまま伝えて構いません。
どの部屋・どの場所?
棟・部屋番号と、台所、トイレ、洗面所などの発生場所。共用廊下などにも異常があれば、その場所も伝えます。
どんな症状?
水が出ない、排水口から水が戻る、床に水がある、停電した、など。浸水の範囲と、現在も続いているか。
いつから?
気づいた時刻と、その後の変化。正確に分からない場合は「帰宅時に気づいた」など、分かる範囲で伝えます。
記録は残せる?
安全な場所から撮れる写真と、管理側から受けた案内。水位の跡や設備の状態は、清掃・撤去の前に記録を相談。
写真の撮り方や残したい情報は、水害の片付け前に残したい被害記録を参考にしてください。
撮影のために危険な場所へ戻る必要はありません。

復旧の相談では、図面に「被害が出た場所」「管理側が点検する場所」「住戸で修理する場所」を分けてもらうと、手配の行き違いを減らせます。
使える設備と、修理の窓口を管理側に聞く
「復旧中です」だけでは、今日の生活や工事の予定を決められません。
使える範囲、点検の担当、次の連絡を具体的に聞きましょう。
管理側に聞ける5つの質問
「台所・浴室・トイレ・洗濯機は、今どこまで使えますか?」
給水と排水を分けて聞き、使用再開の案内も確認する。
「共用設備と住戸内は、誰がどこを点検しますか?」
点検済みの範囲と、未確認の場所を分ける。
「復旧の見込みと、次の連絡はいつですか?」
予定が未定なら、情報を更新する窓口と連絡方法を聞く。
「住戸内の修理は、誰へ申請・相談すればよいですか?」
必要な書類、工事時間、搬入経路、断水の調整を聞く。
「費用や保険の確認は、どの窓口へ相談しますか?」
管理側が手配する工事と、自分で依頼する工事を分ける。
専有部分は個々の所有者が持つ部分、共用部分は共同で使う部分です。
自宅を通る配管でも、住戸だけで自由に工事できるとは限りません。実際の区分と手続きは、ご自身のマンションの規約・図面と管理側の案内で確認してください。
共用設備に関係する工事や費用負担を、施工会社だけで決めないでください。
原因や修理の範囲、管理規約、保険契約などで扱いが変わります。賃貸の場合は、貸主・管理会社にも先に相談しましょう。
建物の復旧と住戸の修理を、3ステップで進める
管理側と使用制限・点検範囲を共有
建物の安全、給排水・電気の利用、住戸に入れる範囲を確認。排水の異常が続いているなら、原因と共用部分との関係を先に調べてもらいます。
住戸内の清掃・乾燥・修理を相談
浸水後は土砂を取り除き、十分な清掃と乾燥を先に行います。共用部分の作業範囲と担当は管理側へ確認してください。
工事の承認と仕上げの日程を合わせる
接続先の給排水設備が使えるか、必要な手続きが済んだか、床や壁の内部まで点検できたかを確認して仕上げへ。入浴・調理・トイレが使えない期間も聞きます。
国交省の浸水対策パンフレットでは、電気設備の復旧は専門の関係者が連携し、排水、清掃・点検、手配、復旧作業を進める流れが示されています。
停電が解消したことと、住戸の濡れた設備を使えることは分けて確認してください。
床の表面が乾いて見えても、下の材料まで確認できたとは限りません。
床の張り替えは、下地・断熱材と仕上げ工事の順番も施工会社と共有しましょう。
復旧見積もりは、建物側と住戸側の工事を分ける
最初に「誰が手配する工事か」を確かめ、そのあとに内容と金額を比べます。
同じ場所を管理側と住戸側の両方で手配しないよう、点検・清掃・設備交換の担当をそろえてください。
| 工事の項目 | 見積もりで聞きたいこと |
|---|---|
| 清掃・乾燥 | 対象の部屋と範囲、汚れを除く作業、乾燥後の確認。共用部分の作業は含むか。 |
| 床・壁の内部 | 点検のために開ける場所、取り外す材料、補修して戻す範囲。 |
| 設備の脱着・交換 | 点検のために外して戻す設備と、新品へ替える設備。接続先は使える状態か。 |
| 管理側との調整 | 工事申請、断水、搬入・共用部分の保護を誰が担うか。 |
| 追加工事 | 未確認の場所と追加になる条件。写真・工事内容・金額を共有し、了承するタイミング。 |
解体後に追加が必要になった場合は、内容と金額を聞いてから合意する手順にします。
管理側の復旧が遅れた場合の工事日と支払いの扱いも、契約前に聞いておきましょう。
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安全が確保され、住戸の修理会社を探す段階なら
管理側が担当する範囲と、自分で依頼する工事を先に整理。
リショップナビの紹介記事では、会社紹介の流れと相談前の確認点を紹介しています。共用設備の復旧や緊急対応の窓口の代わりにはなりません。
マンションの浸水・逆流でよくある質問
上階のトイレなら使ってもよい?
階数だけでは判断できません。
共用の排水設備や配管に影響があれば、上階も使用制限の対象になる場合があります。管理側へ、自宅のトイレを使ってよいか確かめてください。
水が出るようになれば、すべて復旧した?
いいえ。
給水、排水、電気、住戸内の設備は確認する対象が違います。使用を再開できる範囲と、濡れた設備の点検結果をそれぞれ聞いてください。
専有部分なら、先に修理会社を呼んでよい?
管理側へ手配の範囲を確認してから進めましょう。
応急対応と仕上げ工事を分け、共用設備との接続、必要な申請、費用の相談先を整理します。緊急時は管理側の緊急窓口へ先に連絡してください。
復旧まで自宅で暮らせる?
建物の安全と生活設備の状態によります。
入れる場所、給水・排水・電気、移動手段を管理側へ確認。トイレや飲用水、食事を確保できない場合は、自治体の支援や一時的な生活場所も相談してください。
今の状況に合う関連記事
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出典
- 国土交通省|建築物における電気設備の浸水対策(情報確認日:2026年10月13日)
- 国土交通省・経済産業省|電気設備の浸水対策ガイドライン・パンフレット(共用設備の被害事例と関係者の復旧手順/情報確認日:2026年10月13日)
- 厚生労働省|浸水後の清掃・乾燥と消毒の相談(情報確認日:2026年10月13日)
- 国土交通省|マンション標準管理規約(規約のひな型。実際の工事条件は自宅の規約で確認/情報確認日:2026年10月13日)
- 厚生労働省:浸水した家屋の感染症対策(2026年11月1日確認)